複利の力
どうも熊兎です。
各種投資本では、より早くから投資を開始した方が複利の力を得られる為、儲けたい人はとにかく早く投資を始めよう!という説明が多いです。
実際、これは真理ではあるのですが、決定的な欠点も内包しています。
このあたり、詳細に解説したいと思います。
■複利の力と日本の絶望的現状
皆さんが普段銀行に預金している貯金。年に2回、2月と8月にちょびっとだけお金が入金されていませんか?これが利息です。
2021年現在の日本では、大体0.001%程度の利息が付いています。
利息の扱いには『単利』と『複利』があり、銀行預金を含め一般的には『複利』であることの方が多いです。
では単利と福利の違いを見てみましょう。
【単利計算】
単利とは、得られた利息を貯金せずに全て使ってしまうイメージです。
利息計算の対象となる元本が増えないので、常に一定の利息額が得られます。
【複利】
複利は、得られた利息も貯金するイメージです。
利息計算対象の元本が毎年得られる利息分増えるので、年々得られる利息自体が増えます。
上記のグラフは2,000万円を30年間貯金した場合のイメージです。わかりやすいように利息は2%で計算しています。(利息は20%の税金を取られるので、その分も計算済)
最終的に到達している金額を見て下さい。
単利の場合は合計で1,000万円しか手に入れられないのに対し、複利では1,200万円を超えています。
30年で200万円しか差が無いのかよ!と思うでしょうか。
年間6.6万円を余分に貯金する労力を複利が担ってくれると考えると、大きいように感じませんか?
この複利効果は利率に大きく左右されます。では、実際の銀行金利である0.001%で計算してみましょう。
【単利】
【複利】
はい。全く差が無いですね。ウケる。
日本の銀行預金では、金利が低すぎて複利効果を活かせません。
付与される利息額が小さすぎて元本に加算されても追加的な利息を生めないわけです。
つまり、日本で銀行貯金している人は、金融の恩恵を一切受けられません。
また、合計額を見て下さい。30年間2,000万円を貯金して、得られる利息は合計5,000円です。30年かけてユニクロのジーンズ一着分。泣けてきますね。
■日本の若者が苦しい理由
日本は昭和期のように豊かではなくなりました。
より若い世代ほど、困窮した未来が約束されています。
何故か。利息が低下して金融の恩恵を受けられなくなったからです。
両親から「しっかり貯金しないと老後困るぞ」と言われたことありませんか?
残念。これは間違いです。
「しっかり貯金しても老後困るぞ」
これが正解です。
今から考えると信じられませんが、今の50~60代が現役の時は銀行利息が2~5%あったのですよ。
だから、貯金しているだけで大きな複利効果を得られました。
年金や財形による恩恵も相まって、しっかり働き貯金するだけで老後も安泰だったのです。
しかし、そのような状況は崩壊済みです。
現在は、給料からきちんと貯金しても老後を賄えません。また、そもそも貯金できる額が減っています。日本人の平均給与は下がり続けているのに対し、税金は上がり続けています。結果、手取は大幅に減少している為、昔を同じ割合を貯金しても、貯金額は昔より少ないのです。
両親の言うことを聞いて、真面目に働き、節制して貯金しても、待つ未来は明るくありません。
■利率を上げて複利効果を得る
これまで見てきた通り、日本で銀行に預金することは金融的にほぼ意味がありません。
あくまで防犯面でのメリットのみ。手数料等を取られる場合は、むしろ金融デメリットとなります。
さて、ではどうしましょう。
利率を上げるのが最も有効なのですが、その手段を模索しなければいけません。
大きく候補は以下です。
1.利率の高い銀行に預金する
実は、利率の高い銀行は結構あります。ネット銀行と呼ばれる銀行で、ソニー銀行やイオン銀行、じぶん銀行などがあります。
これらの銀行はリアルチャネル(自社のATMなど)が極端に少なかったりする欠点があるものの、メガバンクと比べれば10倍、50倍の利息を得ることができます。
ただし、こういった銀行は色々な手続きで手数料がかかることがあるため、きちんと考えて利用しないと利息より手数料の方が多くなります。
では、現時点で最大の普通預金金利を誇るローソン銀行の0.15%(なんとメガバンクの150倍!)で再度計算してみましょう。
【複利】
毎年2.3万円のお小遣いがもらえます。
・・・・・・・・・・・・・・・・しょっぼ!
さて、これを見て皆さんは何を思うでしょうか。
熊兎はここまで見てきて、銀行にお金を入れておくメリットを全く感じませんでした。
2.投資する(株式、REITなど個別銘柄)
熊兎が主戦場としている投資分野です。
正直、熊兎の場合は個別株投資が趣味化している部分があるので、一般的にはおすすめしません。
個別株投資は本人の気分に影響を受ける部分が多く、儲けが出ずらいです。
人によっては心理的に追い詰められることもあり、ムキになって上がらない銘柄をナンピン(下がる度に買増す)をして配当も優待も無くなった株を永遠に持つ、なんてことにもなりかねません。
この会社が好き、この会社の優待ほしい、そんな軽い気持ちで最低単元(100株)だけ買うのがこの投資には向いています。
特に「絶対損したくない!」という気持ちを持っている人はやめましょう。
絶対損します。
個別株投資は、「損してもいいから長く持っていよう。会社を応援しよう」という気持ちが持てないと負けます。
ウォーレン・バフェット氏も「株を買うときは、その会社を丸ごと買う覚悟を持て」と言っています。
例えば熊兎がもう10年近く投資しているカゴメ(2811)などは、どんなに上がっても売る気がありません。
会社の方針が変わったり、商品が変わったりしたら考えますが、カゴメが今の方針を続ける限り持ち続けると思います。
理由はカゴメの野菜ジュースが好きだから。
他メーカーと比べて圧倒的においしいと感じているからです。
つまり、商品ファンですね。
一時期はやはり損失を出していましたが、今や倍以上の株価になっています。
損した!といってそれ以上の損失を恐れて売ってしまっていたら、今頃は後悔していることでしょう。
しかし、会社のことを良く知らずにプラスになるまで持っておけばいい!という考えでは、ONKYOのように経営破綻して価値が0になる可能性もあります。
依然はONKYOも好きでしたが、もっといい商品が他メーカーからもっと安く出るようになって保有しませんでした。
会社の業績や方針、商品は時代によって変わってきます。
これを追いかけられないのであれば、個別株投資はすべきではありません。
ただし、カゴメでもあった通り、当たれば大勝ちできるのがこの投資の特徴です。
会社、商品、戦略を良く調べ、業績を確認して将来もっと大きな会社になっているはずだと確信できるのであれば、個別株投資は魅力的な資産増量方法です。
3.投資する(株式、REITなどのインデックス)
投資初心者に最もおすすめなのがこれです。
とにかく、何も考えずインデックス(色々な株をまとめて勝手に分散投資してくれる仕組み)を定期的に購入する方法です。
株式というのは、企業が営業して稼いだ金を分配する仕組みである為、会社が利益を出し続ける限り、誰もが勝てる仕組みになっています。
この為、定期的に一定額を株式全体に対して投資すれば必ず勝てる(はず)という理論です。
ONKYOのように一部は倒産するかもしれませんが、その分、他の企業が儲かっているわけで、全体に投資していれば±0です。各企業が稼いだ利益分、プラスになります。
これは世界全体の資本が増えている(資本主義の成長原則)ことで成り立つ仕組みですが、今後資本主義が破綻することは基本的に無いでしょう。
であるならば、インデックス投資をして個人の感情を省き、機械的に積み立てるのが最も効率的です。
アメリカのインデックス投資であればその成長を取り込む為、大きな利益が見込めます。
現在、熊兎が買ったS&Pに連動するインデックスは60%程度のプラスです。
個別株は10倍になることもあれば0になることもありますが、インデックスは10倍になることはなくても0になることもありません。
世界の成長と同程度のリターンを得られる為、貯金するより全然お得な投資法だと考えられます。
■各投資で気を付けること
どんな投資でも気を付けておくことがあります。
①途中退場しない
損したから、といって途中退場してしまう、つまり投資をやめてしまうのはおすすめしません。特にインデックス投資の場合は期間の利益が得られる投資法ですので、退場するのは投資したお金を使うことになった時にすべきです。
②インデックス投資でもショック時は下がることを理解する
どんな投資方法でも、ずっと上がり続けることはあり得ません。
必ず下げるタイミングが来ます。
注意すべきは、下げたタイミングでショックを受けて資金を取り出さないことです。
運悪く、下げたときにその資金が必要になった、では仕方ありませんが、
基本的に余裕資金で投資している場合は、下げても放っておきましょう。
株でもREITでも、投資商品というものは上げ下げするものです。
そのうち、元に戻ってもっと上がっている可能性が高いです。期間的に長くかかる可能性もありますが、時間があるなら待ちましょう。
また、下げている期間に買増していれば、評価平均額が下がるので、結果的に回復も早まります。
継続は力なり。これが真理なのです。
以上、投資の基本原則と複利がいかに有利かをご紹介しました。
尚、投資は元本を割り込む可能性もありますので、自己責任の範囲内で心に余裕をもって行いましょう。
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