なんで新電力が窮地なの?

 どうも熊兎です。


最近ニュースで新電力の経営難が騒がれていますね。

どうも直近の寒さによる電力不足が影響しているようです。


ざっと調べてみると、日本の電力取引所(JEPX)での電力卸売り価格がやたら高いせいで、取引所から電力を仕入れて一般家庭に売りさばいている新電力はその差額が丸々赤字になって経営を圧迫しているとのこと。

どうも尋常じゃない価格になっている様子。

12月末付近~1月前半の電力卸売り価格の平均が150円/kwhとの記載がありました。

取引所のグラフ(取引情報:スポット市場・時間前市場|JEPX)で見てみると、それは言い過ぎなんじゃと思いますが、

通常の取引額が8円前後っぽいので、200円近くまで上がった価格は異常でしょう。


東京電力で一般家庭だと大体1kwhあたり18円~22円位だと思うので、新電力はもう少し安い価格で出しているでしょう。

大手電力会社の1~2円低い価格と以前聞きましたが、

それだと1か月程度とは言え、1kwhあたり130円もの赤字となるわけです。

卸価格の平均8円で小売り価格との差額10円が新電力の利益とすると、他11カ月の利益が110円。実質、1月で全ての利益を吹っ飛ばす損失になりえるということです。


新電力は発電施設を持っていたとしても、基本的にはJEPXからの電力購入に頼っています。

ですので、イーレックスのような大手といえど、今回の電力価格高騰は業績に大きなダメージを与えているはずです。

決算発表、決算予想はこれからですが、かなり悪い数字が出てくることを覚悟しなければいけないように思います。

厳密にはこういった事態に備えてヘッジを入れているところも多くあるようですが、どこまで影響を軽減できているかが今後の業績のポイントになりますね。


菅首相のグリーン政策により新電力各社の株価は上がってきていましたので、ここで減益見通しが出ると株価が大きく調整することが予想されます。

逆に現状持っていなければ投資チャンスでもありますが。

しかし、今回の電力需給のひっ迫はLNGの在庫不足による影響が大きかったようです。熊兎も知らなかったのですが、LNGは天然ガスを低温で液化している関係で気化しやすく、2か月程度しか保管できないそうです。

基本的に海外からの輸入に頼っている為、機動的な調達も難しく、今回の燃料不足に波及したようです。

LNGは石炭に変わり、日本の発電能力の4割近くになっている為、影響も大きいのでしょう。

そういった意味では長期的に大規模天然ガス開発をしている国際帝石などは今後物色の対象になるかもしれませんね。


以前記事にもしましたが、自然エネルギーは安定性に重大な問題があり、全てを自然エネルギーにした場合、大規模停電が頻発することになります。

日本は大規模停電が起きないように設計された経済になっている為、その影響は計り知れません。

今回のような1か月前後に及ぶ電力需給のひっ迫に対応できるような政策が必要になってくるでしょう。


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