フルFIREに必要な資産は?

一般的にFIREするに当たっての利回りは4%程度で計算されます。

※たまに5%とかありますが、現在の日本の低金利下で5%は非現実的です。

 リスク度外視で全てJ-REITや高配当株にぶち込めば別ですが。。。


では単純に資産×利回りで計算すればいいのかというと、そうではありません。

当然、突然の事故や引っ越し、交際費など緊急で使えるお金は預金として確保しておく必要があります。

全ての資産をリスク資産に分配するわけにもいきません。リーマンショックのような危機が来たら破産するようでは資産運用として破綻しています。

さて、ではこれらを考慮した上で、資産規模別にどれだけの収入を得られるか考えてみましょう。


①資産1000万円のケース

 緊急時の預金(総資産の10%):100万円

 安全運用(総資産の20%):200万円

 リスク投資資産(総資産の70%):700万円

 年間配当金:700万円 × 利回り4% = 28万円

 税金(国税15%+地方税5%):28万円 × 20% = 5.6万円

 手取り収入:28万円 - 5.6万円 = 22.4万円

 月当たり手取額:22.4万円 ÷ 12カ月 = 1.8万円


②資産3000万円のケース

 緊急時の預金(総資産の5%):150万円

 安全運用(総資産の15%):450万円

 リスク投資資産(総資産の80%):2400万円

 年間配当金:2400万円 × 利回り4% = 96万円

 税金(国税15%+地方税5%):96万円 × 20% = 19.2万円

 手取り収入:96万円 - 19.2万円 = 76.8万円

 月当たり手取額:76.8万円 ÷ 12カ月 = 6.4万円


③資産5000万円のケース

 緊急時の預金(総資産の3%):150万円

 安全運用(総資産の12%):600万円

 リスク投資資産(総資産の85%):4250万円

 年間配当金:4250万円 × 利回り4% = 170万円

 税金(国税15%+地方税5%):170万円 × 20% = 34万円

 手取り収入:170万円 - 34万円 = 136万円

 月当たり手取額:136万円 ÷ 12カ月 = 11.3万円


④資産7000万円のケース

 緊急時の預金(総資産の3%):210万円

 安全運用(総資産の10%):700万円

 リスク投資資産(総資産の87%):6090万円

 年間配当金:6090万円 × 利回り4% = 243.6万円

 税金(国税15%+地方税5%):243.6万円 × 20% = 48.7万円

 手取り収入:243.6万円 - 48.7万円 = 194.9万円

 月当たり手取額:194.9万円 ÷ 12カ月 = 16.2万円


⑤資産1億円のケース

 緊急時の預金(総資産の3%):300万円

 安全運用(総資産の10%):1000万円

 リスク投資資産(総資産の87%):8700万円

 年間配当金:8700万円 × 利回り4% = 348万円

 税金(国税15%+地方税5%):348万円 × 20% = 69.6万円

 手取り収入:348万円 - 69.6万円 = 278.4万円

 月当たり手取額:278.4万円 ÷ 12カ月 = 23.2万円


■資産別に5パターン見てみる

資産額ごとに5パターンを上げてみました。

①の場合、頑張ればそれなりに溜められる1000万円の資産で計算していますが、

月1.8万円ではお小遣いがちょっと増える程度です。


②の場合、30代でたまに溜めている人がいる3000万円の資産ですが、

月6.4万円と大幅に手取りが増え、生活が非常に楽になります。


③も30代後半では到達できるか?と思われる5000万円。

ここまでいくと月11.3万円とFIREが見えてきます。

家賃など生活費を低位に抑えて、貯蓄を考えなければ生活できる水準です。

実際、熊兎は月あたり14万円前後で生活しています。

自己投資や通信費を高めに設定した生活をしているので、そこを削れば

ギリギリ生活できるのではないかと思います。


④は40代前半でたどり着けるであろう7000万円です。

月16.2万円と、ギリギリの生活をして月1~2万円を貯蓄に回す余裕ができます。


⑤、夢膨らむ1億円です。恐らく大抵の人は引退直前までこの境地にたどり着けない。

月23.2万円と、もはや新卒の初任給より手取りが多くなります。

配当金だけで十分な貯金も可能となり、自由なフルFIREが実現できるでしょう。



■資金力で投資余力の割合が変わる

見てもらってわかる通り、総資産が増えれば増えるほど、投資に回せる資産の割合が増えます。

これは、緊急時や安全資産に割く金額はある程度固定できることが要因です。

突発的に1000万円必要になった!なんてことは想定できないからです。

当然、重病にかかったなどは例外ですが、今回はそこまで深堀しません。


大体3000万円くらいから投資割合が増え、急速に手取が増えていきます。

相場の急変動に備えてさらに20%程度を手持ちにする可能性もありますが、

その場合は大きなキャピタルゲインが期待できるのと、急落~復活後は

より高い利回りを期待できますので、同等の計算が可能でしょう。



■結論:余裕をもったFIREに必要な総資産は7000万円

大半の人の理想は30代でFIREでしょう。

そうなると、40代でこの金額に到達しても不本意です。

やはりある程度はキャピタルゲインを狙っていくしかないということですね。

インカムを重視するのは総資産が7000万円を超えてから。

道のりは長いですね。



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